三週間

ブーチンが来てから、気づくと三週間がたっていた。

相変わらず無口だが、最初来たときよりは随分おしゃべりになった。しかし、それでも、昭和の亭主のように「めし、トイレ、寝る」くらいのタイミングでしか鳴かない。

お風呂は一度湯船に落ちて懲りたのか洗い場には入らなくなった。代わりに、五分おきくらいに、「まだか~?」という感じでのぞきに来る。本を読んでいると、つまらなそうに、濁点付きでナッ!と鳴いたあと、リビングに戻っていく。

寝るときは、こたつをつけてあげていても、布団にもぐりこんでくる。夜型のブーチンは出たり入ったりを繰り返すので寝苦しいのだが、朝起きて、おなかのところで丸まっていたりするのを見ると、愛おしくてたまらず、寝室から締め出すこともできない。

心配なのは急速に野性味を失い、さほど高さのない机や本棚の上から飛び降りても、無様に腹やわき腹で着地するようになったことだ。さっきなどは、何十回と食べているはずの餌皿につまずいていた。長居産まれ、長居育ち、悪いやつは大体友達の、生粋の野良の癖に、なんと情けない。

写真はこたつで甲羅干し中のブーチン。白目をむいている。短い夏に日光浴を楽しむロシアンガールでも、ここまで隙だらけにはならないと思う。
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三国志連載小説
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黒澤はゆま

Author:黒澤はゆま
歴史小説家。はゆまは古語で「早馬」「報せ」の意味。小説のことや歴史のこと、また日々の徒然のことを、「報せ」ていこうと思います。三国志を舞台にした小説「花武担」連載中。

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