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ブーチンダイブ

やし酒飲みを読了。

正直、文章・物語の筋とも素っ頓狂過ぎてついていけない。ただ、それだけで終わらせられない、なにかがある。少し間を空けてもう一度読もうと思う。

その後、口直しにじゃないが、一週間ほど前に買って積んだままになっていた、ジョン・アーヴィングの「第四の手」を読み始める。こっちは読みやすいし、シンプルに面白い。元々好きな作家さんで、他の作品もたくさん読んでいるから、この人独特の話の進め方に慣れているのだ。

段々のってきて、風呂のなかにも持って行って読んでいたら、バスタブの側から「ニャーン」という声。

見ると、ブーチンが洗い場にまで入って来ていた。いつもは脱衣場でタールにつけられたインディアンでも見るような目で、風呂に入ったはゆまのことを見ているのだが、ここまで近づいてきたのはバスタブに乗ろうとして失敗し、顎を強打した件以来初めて。

可愛かったので「ブーチン」と風呂のなかから呼んだら、風呂桶の縁も飛び越えて、直接湯船にダイブしやがった。

パニックになって逃げていったが、一体なにがしたかったのか。

入浴も読書も早々に終えてリビングの方に行くと、家中水浸しになっていた。ブーチンも、濡れ雀になって、こたつの上でしょんぼりしている。

「お馬鹿さんだね~」と言ったあと、バスタオルで包み、膝にだっこして、ファンヒータをあててやった。すぐ、うとうとしはじめる。読書が中途半端で終わっちゃったし、猫の体温と、ファンヒータの熱風で熱くてたまらないか、なんか幸せって感じがした。

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三国志連載小説
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プロフィール

黒澤はゆま

Author:黒澤はゆま
歴史小説家。はゆまは古語で「早馬」「報せ」の意味。小説のことや歴史のこと、また日々の徒然のことを、「報せ」ていこうと思います。三国志を舞台にした小説「花武担」連載中。

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