独ソ戦

2010年、ロシアチャンネルワン製作の大祖国戦争戦勝65周年記念特別番組、原題「大戦争」のドキュメントを見る。

第二次世界大戦の対独戦線は、米視点で語られることが多いため、なんとなく裏庭的イメージのある独ソ戦だが、実はこっちの方が規模がはるかに大きく、いわば戦争の決着をつけるチャンピオン戦でした。

無骨で意地っ張りの国同士のつぶし合いは、動員された兵力も、投入された資源も、犠牲になる命の数も桁違い。日本人的には結構大変だった記憶のある、太平洋戦争が線香花火に思えるほどです。

数百の重爆撃と、数千の巨大自走砲、数万の重戦車、そして数十万の生身の若者達。尋常ではない火力がかなでるオーケストラは、次々に画面に黙示録的な光景を繰り広げます。白人特有の執拗な検証によって再現される兵器や戦場の描写に、重々しく無骨なロシア語のナレーションもマッチして、終始息苦しくなるような緊張感がただようよいドキュメントでした。

BBCといいあちらの戦争ドキュメントは本当によいものを作りますね。同じくらいの予算をかけているにも関わらず、紙芝居を芸能人が読み上げる、馬鹿ドキュメントを作る日本の放送局は見習って欲しいものです。

四時間かけてこのドキュメントを見通したはゆまの思う、ソ連の勝因は「ロシア人はアメリカ人のように機械化され、アジア人のように人命に無頓着だったから」でした。翻って日本の敗因を言うと、「日本人はアジア人のように人力に頼り、アメリカ人のように痛がりだった」になるでしょうか。

カンボジアに旅行した際に、ガイドの言った「ポルポトが殺した国民の数は三百万です。これがどれほどの数か分かりますか?日本が太平洋戦争で失った人命と同じなんですよ」という言葉を思いだします。色々非難されることも多い戦前の政体ですが、人口の4パーセント程度の被害で白旗をあげた軍閥政治家たちは、共産圏と比べるとはるかに、自国民の命の損失に敏感な指導者層だったのです。

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黒澤はゆま

Author:黒澤はゆま
歴史小説家。はゆまは古語で「早馬」「報せ」の意味。小説のことや歴史のこと、また日々の徒然のことを、「報せ」ていこうと思います。三国志を舞台にした小説「花武担」連載中。

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