原稿用紙枚数換算方法

こないだ、いきつけのバーで飲んでいると、作家志望の人から原稿用紙の枚数をどう数えたらいいか聞かれた。

なんでも新人賞に応募するのだが、換算の仕方が選考側と違い、読まれずに落選するのが怖いとのこと。その気持ちはよく分かる。

僕は幸いに別ルートで出版が決まったが、作家デビューへの細い道のなかで、一番太く確実なのは出版社が公募する新人賞を受賞すること だ。今も大勢の人が新人賞をめざしペンを走らせ、キーを叩いていることだろう。

大手の新人賞の募集枚数は、大体400字詰め原稿用紙350枚~400枚。たとえ好きなことでも、350枚以上の文章を書くのは、実にきつい。終盤は、もう理屈ではなく、力づくで書き上げる感じになる。本当にそうなる。

そうやって、自分の精魂を叩き込んだ作品が、内容よりも、原稿用紙の枚数の条件にひっかかって落ちる。考えただけでも悪夢だ。

原稿用紙に書いて送れば確実だが、今はIT時代。ほとんどの人がwordや一太郎を使い、募集要項のフォーマット、例えば縦横40×40、に従っ て出そうとするだろう。で、このワードや一太郎で書いたドキュメントを原稿用紙換算するのが実に難しい。難しいというより、色々な意見があって、 どれに従ったら分からないのだ。応募要項に換算方法を明記してくれたらいいのだが、今のところ、そんな親切な新人賞は一つもない。

換算方法については、1)ドキュメントのフォーマットを一度20×20(400字)に変えて枚数を数えればよいという人もいるし、2)いやいや 40×40一枚で1600字なんだから、それを四百字で割り、原稿用紙四枚と換算するんだという人もいる。3)親切にも枚数換算用のマクロを開発 してくれている人もいる。そして、様々な手段を試してみると、その全てで出てくる答えが違う。これは当然で、マクロなら振り仮名の振り方で勝手に 熟語を一字に数えたりもするし、20×20に変更した場合でも禁則処理の仕方で、行数が縮まったり、増えたりする。

僕も自作を新人賞に出したとき頭を抱えた。特に自分の場合、一番簡単なやり方、40×40一ページを原稿用紙四枚で換算すると枚数をオーバーして しまうのでさらに困った。で、文章をもう削りようもなく、20×20に変えた換算方法でギリギリセーフだったので、それで応募した。そして、見事 に落ちた。まぁ、原稿用紙枚数というより、作品に問題があったのだと思うが、しばらくは眠れないほど悔しかった。

で、そんな眠れぬ日々のなか、よくよく考えてみたのだが、換算方法は一番単純なやり方、2)に従うのが正しいと思う。そもそも、新人賞は大体募集過多の状態で、それを裁く選考側の人員は下読みも含め常に不足気味だ。そして募集媒体はこのIT時代でも紙ベースのところがほとんど。一次選考や 二次選考の段階で、いちいちそれを電子スキャンするだろうか? また、さらにそれをわざわざ面倒な1)や3)の手順を使って、原稿用紙換算するだ ろうか? そんな暇はないはずだ。

それに下読みの仕事はまず原稿を落としふるいにかけること。内容については、どうしても主観的な好き嫌いが入るが、枚数制限ならいやおうなしの客観的な基準だ。引っかかっているものがあれば、これ幸いと落とすだろう。そして、数少ない客観的な基準については、出来るだけ単純に、すぐ判断できるものにするはずだ。

原稿用紙を受け取り、最終ページ番号を見る。40×40で、105ページ。あら~、5ページ、原稿用紙換算で20枚オーバーしてるね。はい残念でした~

こうして、貴方の原稿は読まれもせずゴミ箱行きとなる。

別に出版社の人から裏付けを取ったわけではないが、こう考えるのが合理的なように思う。よかったら参考にして欲しい。責任は一切とらないけど。

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黒澤はゆま

Author:黒澤はゆま
歴史小説家。はゆまは古語で「早馬」「報せ」の意味。小説のことや歴史のこと、また日々の徒然のことを、「報せ」ていこうと思います。三国志を舞台にした小説「花武担」連載中。

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