マレーシア 最後の夜

何気に、今、マレーシアにいる。

昼の仕事の関係で、月曜から出張だったのだ。打ち合わせをしたり、自分で開発したり、日本に指示を出したりと、大忙しだったが、無事、タスクもすべて完了し、ホテルでカールスバーグを一人飲んでいる。

窓から見えるのは、側にある旧王宮。クアラルンプールでは、九つの州のスルタンが、五年交代で王様を務めることになっている。その王がかつて住んでいた場所だ。モスクのような丸屋根を戴いた巨大な建物を中心に、白亜の城壁に点された灯りが、翼を広げたように連なっている。その灯りが、何ともいえず、優しい。

マレーシアの人は基本、穏やかで真面目で親切だ。勤勉でもあり、100リンギット札に、自動車工場の絵を描くほど、工業化された自国に誇りを持っている。

日本人と気質が似ているので、一緒に仕事するのは楽なのだが、やはり海外出張中は気が張っているのだろう、肩の辺りが重く、首も痛い。とにかく疲れた。

帰りの便は、明日の朝発。シンガポール経由での帰国だ。

ちょっと早めに出て、空港の免税店でショッピングするつもりなので、今日はお酒もほどほどにして早めに寝ようと思う。そう、決して、向かいの駐在員御用達のショッピングモールのなかにある、日本風居酒屋になんかは決して行かない。まして、スポーツバーになんか、はしごするなんてことは決してないのである。

この記事へのコメント

トラックバック

URL :

三国志連載小説
花武担 花武担
プロフィール

黒澤はゆま

Author:黒澤はゆま
歴史小説家。はゆまは古語で「早馬」「報せ」の意味。小説のことや歴史のこと、また日々の徒然のことを、「報せ」ていこうと思います。三国志を舞台にした小説「花武担」連載中。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
ご意見、ご感想はこちら。必ず返信します

名前:
メール:
件名:
本文:

works
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR