twitter炎上と穢れ思想

ほぼ毎日のように、twitter炎上のニュースが、世間を賑わせている。多くが、店員や客の飲食店の備品を使っての悪ふざけに対するものだ。

悪ふざけ自体はたわいないもので、馬鹿だとは思うが、馬鹿なのが若者なんだから仕方ない。古今東西、元気はあるが、考えは足りず、仲間内で目立つことだけが生き甲斐の、若者という人種が一度は辿る道なんじゃないだろうか。程度の差はあれ、昔から、この程度の悪ふざけは、皆隠れてやっていたと思う。ただ、昔と違って、今は手元にスマホというものがあった。

和民かどこかでの飲み会の話の種にしておけば、5分くらい盛り上がって、それだけで終わっていた話だと思うと、ちょっと気の毒。まぁ、穏便に済ませてあげて欲しい。

ただ、被害を受けた飲食店の対応、ネットでの彼等への異常な攻撃の根底に、日本古来の穢れ思想があることが、興味深い。

だいたい、冷蔵庫に入ったり、裸で椅子に座った程度のことで、食中毒になんてならない。それなのに、飲食店側は、休業して洗浄消毒、フランチャイズの停止、中には店を閉鎖するようなところも。

鼠が床下を走り、ゴキブリを素手で叩き潰すおばちゃんの作る混ぜご飯を、毎日タイの屋台で食べてた自分には、正直、過敏すぎると感じる。(ちなみに洪水の次の日、道の真ん中に大きな水溜まりが出来ていたのだが、その中に取り残された鮒も、おばちゃんは唐揚げにして出してきた)

これはつまり、「よごれ」でなはく、「けがれ」に対する対応なんだろうな。

「よごれ」が一時的・表面的な汚れであるのに対し、「けがれ」は永続的・内面的汚れで、「物忌み」や「清め」等の儀式抜きでは、晴らすことが出来ない。過剰な洗浄消毒は清め、休業や、お店の閉鎖は物忌みなのである。そして、「けがれ」は伝染し、共同体の秩序を乱し災いをもたらす。だから、ネット民は怒り狂ったのだ。

また、日本の穢れは、西洋の原罪と違い、あくまで主観的な「感覚」である。誰も知らなかったら実は発生しない。ネット民の怒りには、わざわざネットでアップして教えやがってという含みもあるように感じる。

ネットという最新のテクノロジーと、日本人の古層にある思想や概念、それが出会うと大体不幸なことが起きるのだが、このtwitter炎上も、その例の一つなのだろう。

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黒澤はゆま

Author:黒澤はゆま
歴史小説家。はゆまは古語で「早馬」「報せ」の意味。小説のことや歴史のこと、また日々の徒然のことを、「報せ」ていこうと思います。三国志を舞台にした小説「花武担」連載中。

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