マレーシアから帰ってきて

先日土曜日の早朝、日本に帰ってきた。クアラルンプール空港から関西空港までは、直行便でも七時間かかる。タラップ降りたときは、体ががちがちだった。

マレーシアについて、色々感じたことがあるので、思いつくまま、五月雨式に書いていく。

まず、道について。日本よりは劣るが、かなり綺麗。チクタクバンバン式に、考え無しで道を繋げていった結果、Uターン形のハイウェイというものまであるタイとは違い、都市をどういった形にしたいかというしっかりした戦略が感じられる。看板もあまりない。バンコク空港では、空港から一歩出た瞬間に、ところ狭しと看板が立ち並んでいたが、クアラルンプール空港では、しばらく行っても、サムスンの看板が二、三個あっただけだった。

料理は、全般的にスパイス抑えめ。タイだったら、日本のネギみたいに、どんな料理にでも投下されるパクチーもそんなに見なかった。はゆまはパクチー大好きなんで、ちょっと残念だったが、このカメムシをかみつぶしたような香草が苦手な日本人は多い。舌に爆竹のっけられたような青唐辛子の大量投下もないので、日本人の口にはあうものが多いと思う。

一緒に働いたスタッフはほとんどが華僑だった。ただ、現地マレー人との混血も進んでて、肌色は濃く、顔立ちもエキゾチックな感じの人が多い。それでも、名刺には、明代か清代にこの地にやってきた御先祖の姓が漢字で書かれてある。本籍地のこともしっかり覚えているようで、おとんが昔中国の広州で働いていたよと言うと、ITチームのスタッフの一人が
僕の故郷だと嬉しそうに言ってきた。

マレー人のスタッフもわずかながらいた。はゆまがおしゃべりしたのは、イスラムのフードを被ったマレー人女性。フードといっても、スカーフを軽く頭に被っているだけで、中東の女性の真っ黒で完全に顔を包んだフードのような威圧感は感じない。英語で冗談を乱発し、一人でにカラカラと笑う、元気おばちゃんだった。タイや、インドネシアで顕著な、経済的に成功をおさめている華僑系に対する、激しい敵愾心というのは、マレーシアではあまりないようだ。ブミプトラ政策により、公務員採用や、租税などでマレー人は下駄をはかせてもらっているからだろう。大部分が華僑系のスタッフのなか、彼女はチームのムードメーカーになっていた。

印象的だったのは、会議室に一人残り、事務処理をしているとき聞こえてきた、近くの寺院のコーランの声。鳥肌がたつほど凄い迫力だった。様々な音素が微妙にずれつつ、重なり合い、もの凄い「圧」をもって、体全体を包み込んでくる。本当に、飲み込まれるという感じ。寺院から少し離れた場所でこれなのだから、実際にモスクできいたら、本当に改宗しかねない力を持っているのだろう。

個性豊かな東南アジア馬鹿四兄弟、タイ、カンボジア、ベトナム、ミャンマーと比べ、そつなく、淡々とした国民性だなと思っていたが、その根っこのところには、やはり「イスラム」というものがあるようだ。優等生的で、ちょっと物足りないなぁと感じていたが、意外と奥の深い国なのかもしれない。次の出張も楽しみ。

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プロフィール

黒澤はゆま

Author:黒澤はゆま
歴史小説家。はゆまは古語で「早馬」「報せ」の意味。小説のことや歴史のこと、また日々の徒然のことを、「報せ」ていこうと思います。三国志を舞台にした小説「花武担」連載中。

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