一週間

2月20日の発売から一週間、感想をチラホラ送ってくれる人も出てきた。本をせっかく出しても、底なし井戸に石を落としたときのように、何の反応もなく、心細く頼りない気持ちを味わうという心配は杞憂に終わったようだ。

宮崎の友人からはもっとも嬉しい便りもあった。イオンの本屋で見つけたらしい。

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やはり南国、民放は二局しかないし、チャンネルを変えるときは、表つけて、裏つけてで表現するし、イオンがデートコースだし、登校ルートから外れた子供がまじでイノシシの罠にひっかかるという、ど田舎だが、人はとっても温かい。

早速、お師様の紹介もあり、大阪で歴史ある雑誌との仕事も出来そうだ。これもすべて出会ってきた人のおかげだと思う。慢心せず、一つ一つ丁寧に仕事をしていきたい。

卒業

日曜日は、お世話になった人の昼食にお呼ばれし、ビールと黒霧島を数杯きこしめしたあと、今回で最後となる、小説教室「玄月の窟」へむかった。

2010年の春に参加させてもらってから、ちょうど三年。

教室後の飲み会であつく文学談義を交わしたり、夏合宿をしたり、お師様が文学バー・リズールを開くときは手伝ったりと、色々な思い出のある教室だ。

万感の思いだった。

飲み会では、生徒皆さんの祝福を受け、それぞれが買ってくれた本にサインさせてもらった。お師様からは、「劉邦の宦官」の初版本に一筆書いた卒業証書を授与される。


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「もう教えることはありません」

若干、厄介者を放り出した感のある文面が気になるところだが、うれしい。大切に飾って、家宝にしようっと。

こちらからも、遅ればせながらの束脩代として、ヤマゼンの足揉みマッサージ機を、お師様にプレゼントさせてもらった。リズールに置いてあるはずなので、バーを訪ねた人は是非使ってみてほしい。至福のひと時のはずである。

これからも、受験を控えて引退したのに、何故かやってくる部活の先輩のような感じで、たまには顔を出せてもらおうと思う。お師様と生徒の皆さんも、「卒業したのに何で来るんだよ~」みたいないけずはせずに相手してほしいものだ。

発売開始

今日が大阪の発売日。

昼の仕事の関係で梅田に行ったついでに、紀伊国屋書店に寄ると「劉邦の宦官」平積みされていた。

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いつも行く本屋で自作を見るのは、なんだか不思議な気持ち。

いろんな人たちにかかわって、綺麗にディスプレイされている我が子は、自宅の富士通PCのデスクトップで「初長編」という名のアイコンだったときとは別人のように輝いて、遠くにいるような感じがする。

ふわふわ雲の上を歩くような気持ちで二冊レジに持って行く。出版社から発売日前にもらったものは、配ったり、売ったりしているうちに、在庫がなくなってきていたのだ。

レジに通すとき、

「これ同じ本二冊ですけどいいんですか?」

そうレジ係りのお姉さんに聞かれたので、

「ええ、いいんです」

と笑顔で答えておいた。

配本日

今日19日がデビュー作の配本日、完成した本が出版社から取次に渡される日でした。

つまり、製作サイドから、流通サイドへ作品が手渡され、世間へ解き放たれる日です。鮭で例えると、稚魚が放流される日といえばよいでしょうか。あとは、もう作品自体の力でどこまで行くか、プロモーション等は打つにせよ、基本祈るしかなくなります。

書店に並ぶのは、東京だと明日20日(もう今日ですが)、大阪だと明後日21日、日本全国に出回るのは金曜日22日だそうです。是非買ってね。

で、少年愛の要素もあるということで、早速BL書評サイトの「ちるちる」さんに紹介されました。されてしまいました。
http://www.chil-chil.net/compTop/k/blnews/no/2326

絢爛たるカバーイラストたちに自作が囲まれて、面映いやら、くすぐったいやら。クリックするときは、周りを確認してからでお願いします。いや、まじで。

秋津温泉とリズールと今井翼君と

土曜日は、映画「秋津温泉」を見て、「若いころの長門裕之ってキン肉マンみたいだな」という感想を持った後、お師様の経営するバー・リズールへ。

お師様のもとへも完成本が届いたらしいのだ。

お店に着くと、お師様や常連さんが祝福してくれた。こそばゆい思いをしつつも、リズールに献本された本へ、金色のサインペンでサインする。

お客には少女マンガ家の卵の女子高生さんもいて、早速手に取ってくれた。まだ正式発売前なのでよく考えてみると、一般読者第一号である。漢字が多いと こぼされつつも、真剣に読んでくれる。去り際、タイトルと筆名をメモしてくれたのが、うれしかった。念のため言っておくと、酒は出してないし、女子高生は22時はるか前に帰った。条例違反じゃないので。

その後、色々お世話になっているK氏と合流して、ビール・焼酎・ウィスキー・ワインなどちゃんぽんで痛飲を続ける。

段々言動が怪しくなり、目もちかちかしてきたが、2時ごろ別のバーへ河岸を変え、また元気に飲み続ける。

メートルもあがってきて、ギアが六速くらいに入ったころ、「今井翼くんです」という声が。

なにをまた冗談を、と思ってたら、本当に本物の今井翼くんだった。取り巻きをつれて颯爽とバーの入り口の階段をあがってくる。

やっぱりスター。オーラが半端ない。顔立ちは繊細できれいだが、金髪と意外にがっちりした体つきが野性味があってかっこいい。

はぁ~と見とれていたら、K氏が「この子、実は作家デビューするんですよ」と水を向けてくれた。

すると翼君、「そうですか。がんばってください」と百万ドルの笑顔ではゆまを激励。

結構酔っておられたようなので、間違いなく次の日には覚えていないだろうが、めちゃくちゃにうれしかった。

その後も、遠巻きに翼君を鑑賞しつつ、気でも狂ったように酒を飲みつづける。そのバーにも本当はK氏に売ったものなんだけど、サインした本を置いてもらった。

そんなこんなで、結局、家に帰ったのは始発の電車になった。

玄関を開けると、一晩ほったらかしにされたことに、お冠のブーチンが香箱すわりで待っていた。

眠くてたまらなかったが、ご機嫌とりのため、厳しい視線のなか、水を新しいのに替え、トイレも掃除してやる。

布団をしくと、はゆまより先に、ブーチンがさっさと潜り込んでいった。

体温の高い猫のぬくもりを感じつつ、眠る前に一日を振り返って思った。

「二件目のバーで自分の本にサインしてる場合じゃないよな。翼君のサインが欲しかった」

完成本がついに

会社の健康診断の結果、命ぜられていた内視鏡検査に行った。

前日から絶食し、有給をとり、一日中洗浄液を飲まされ、体のなかをくねくねしたものが動き、はゆまのなかをはゆまが見るという気持ち悪さに耐えた結果……

異常なし。鉄壁の腸。あと五年は来るな。

といわれた。

癌が見つかるよりは、なんぼかいいかもしれないが、何か納得いかない。

げんなりして帰ると、ついに「劉邦の宦官」の完成本が届いていた。

カバーのイメージを見たりはしていたが、やはり実物は違う。まじまじと見ると、紙の本というものが、どれほど細部にいたるまで作りこまれ、情報が折りたたまれているかがわかる。我ながら美しい本である。是非、皆に手にとって読んでもらいたい。

写真のとおり、ブーチンも感激している。

ちなみに、ブーチンは、さび猫には珍しい雄で、しかも餌やりおばちゃんによって去勢されている。つまり、この写真は、猫の宦官が「劉邦の宦官」を見ているのである。
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ブーチンダイブ

やし酒飲みを読了。

正直、文章・物語の筋とも素っ頓狂過ぎてついていけない。ただ、それだけで終わらせられない、なにかがある。少し間を空けてもう一度読もうと思う。

その後、口直しにじゃないが、一週間ほど前に買って積んだままになっていた、ジョン・アーヴィングの「第四の手」を読み始める。こっちは読みやすいし、シンプルに面白い。元々好きな作家さんで、他の作品もたくさん読んでいるから、この人独特の話の進め方に慣れているのだ。

段々のってきて、風呂のなかにも持って行って読んでいたら、バスタブの側から「ニャーン」という声。

見ると、ブーチンが洗い場にまで入って来ていた。いつもは脱衣場でタールにつけられたインディアンでも見るような目で、風呂に入ったはゆまのことを見ているのだが、ここまで近づいてきたのはバスタブに乗ろうとして失敗し、顎を強打した件以来初めて。

可愛かったので「ブーチン」と風呂のなかから呼んだら、風呂桶の縁も飛び越えて、直接湯船にダイブしやがった。

パニックになって逃げていったが、一体なにがしたかったのか。

入浴も読書も早々に終えてリビングの方に行くと、家中水浸しになっていた。ブーチンも、濡れ雀になって、こたつの上でしょんぼりしている。

「お馬鹿さんだね~」と言ったあと、バスタオルで包み、膝にだっこして、ファンヒータをあててやった。すぐ、うとうとしはじめる。読書が中途半端で終わっちゃったし、猫の体温と、ファンヒータの熱風で熱くてたまらないか、なんか幸せって感じがした。

「エデンの東」と「恋愛適齢期」

連休最終日は、ブーチンをひざに乗せて映画三昧。

「エデンの東」と「恋愛適齢期」

おばちゃんと化して、映画のシーン一つ一つに、ブーチン相手に突っ込み入れる遊びが楽しい。

「ディーンはかっこいいね。これでSM好きのホモとか残念だね」とか「ジャックニコルソンは恋愛小説家といいこんな役ばっかりやってるね」とか「キアヌ男前ねぇ。そこで譲ってあげるか」とか「でも、普通、女は爆弾岩みたいな顔したおっさんより、キアヌの方を選ぶよね。しかもパリよ」とか、ブーチンを撫でながら呟いている。

丸まって眠りたいブーチンには迷惑以外のなにものでもないだろうが、昨日みたいに、友達と一緒に見ている感覚が嬉しいのだ。

しかし、エデンの東に終始付きまとう重苦しい父権的な倫理観と比べると、恋愛適齢期はずいぶん遠くに来たものだ。

母娘の関係も、父娘の関係も、完全にフラットでしかない。なんてたって、母娘で恋人のやり取りをするのだから。譲り渡されるのは、爆弾岩みたいなジャック・ニコルソンだけど。

人間関係の軸が子供になる日本文化でとられた小津の映画で、熟年の父母がハズバンドと結ばれることは絶対にないことを考えると、恋愛する男女の組合せが軸となる欧米のカップル文化の下では、恋人を見つけるということはより切実なんだろうなぁとか思い、なかなか面白かった。

明日からは、また仕事。

再来週は嬉しいことがあるし、もうひとふんばり頑張ろう。

ホームパーティと「大阪ハムレット」

土曜日は、友達と飲み会。

近所の中華料理屋で腹ごしらえしたあと、新居に来てもらった。

初めてのお客様だったので、ブーチン大丈夫かなと思ったが、ややナーバスになりつつも、撫でさせたり、抱っこさせてやったりと、ちゃんと接客してくれた。大体、トイレの掃除がおろそかだったり、餌が切れていたり、足元にいることに気づかず蹴飛ばしちゃったときなど、要するに「おい、コラ、気をつけろや」というタイミングでしか鳴かないブーチンが、「ミャーン」と猫らしいかわいらしい鳴き声をあげていたから、まぁまぁ上機嫌だったのだろう。

その日は、一晩中、みんなでブーチンをいじったり、飲んだり、カラオケ行ったりと、遊びまくった。

雑魚寝で一眠りして、朝を迎えた後、ブラビアでネットもつながるということを見せるために、youtubeやhuluをいじっていて、たまたまつけた「大阪ハムレット」が何故か、みなのつぼに入った。

間平ちゃんの葬式写真という出落ちで爆笑し、お母さん役の松坂慶子のパワーに圧倒され、子役三人の演技のよろしきもあって、あっという間に二時間が過ぎた。はゆま的には、女の子になりたいとう三男の子の、愛らしい浴衣姿が印象的だった。本当は女の子かしらと思ったが、ネットで調べると、大塚智哉君という子で、男の子らしい。マコーレカルキンとかみたいにならず、立派な俳優に育ってほしいものだ。あと、加藤夏樹が綺麗すぎて場違いだった。

映画の後は、皆を駅まで送りがてら、近所の釜揚げうどん屋で、昼飯を済ませた。

駅からあがると、天気がよかったので、ニャオスケが戻ってきてないか、ちょっと公園を散歩した後、帰宅。

飲み会の後の残る家では、ブーチンがちょっと怒り気味でコタツで丸くなっていたので、ご機嫌伺いのために、パックに入った猫用カツオを温めてやった。

夢中になってがっつくブーチンの丸いお尻を見つつ、思った。

よい週末だった。

「明日の記憶」

ブーチンをひざに乗せつつ、ブラビアとhuluをリンクし、「明日の記憶」を視聴。

ところどころ、あぁテレビの人が作っているなという、鼻につく演出があるけど、なかなかの力作。

若年性アルツハイマーをわずらう元敏腕広告マンの渡辺健と、それを支える妻樋口加奈子の演技がとにかくすばらしい。

痴呆が進み、相手のことをアイデンティファイ出来なくなったとしても、残る絆はなんだろうか、そもそもあるのだろうか。そんなことを考えながら見 させてもらった。

最後、妻の名前が彫られた陶器が大写しになるシーンには、思わず感涙。

目を拭っていると、ひざの上のブーチンは不思議そうにはゆまを見上げていた。

また拾ってきた

注射を嫌って大脱走したニャオスケだが、ひょっとしたら故郷に戻っているのかもしれないと思い、火曜日にキャリーを持って公園に行く。

拾った場所で、キャリーを開きまわりに餌をばらまいたところ、早速藪からガサゴソと音が。

「お、お前は!?」

元々拾う候補第一番目だったサビ猫だった。とにかく、模様がいかにも雑種。ぶちゃいくだが、無愛想な顔のまま平然と膝にのるという複雑な性格が好みにどストライクだった。それに、よく顔を見ると、目元はぱっちりしててちゃんと可愛いのである。

またたびをまく必要もなく、自分からキャリーに入り、試しに蓋をしめても香箱座りで大人しくしている。

どうしたものか、可愛い、連れて帰りたい、でもニャオスケを探しに来たんだしなぁと迷っていると、

「猫好きなの?」

と、マスクをつけたおばちゃんから声をかけられた。

「はい、脱走した猫を探しに来たんですけど、おびき出された別の猫がキャリーに入っちゃったんです」

そう事情を説明したところ、おばちゃん手を叩いて、

「あなた、先週の月曜日にソマリちゃんもらってくれた、赤いブルゾン着た人でしょ。広島焼き屋のあるアパートの上に住んでいる」

知らないうちに有名人になっていた。

餌やりグループのネットワークは、本当に凄い。

「そうなんです。でも、病院に連れて行く途中で逃げられちゃって」

「まぁ、でもひょっこりアパートの方に戻ってくるかもしれないし、公園に戻るかもしれないわよ。その子も折角、キャリーに入ったんだし、持って帰っちゃいなさいよ。もし公園にソマリちゃん戻ってきたら、貴方に連絡するようにするから。二匹くらい飼えるでしょ」

で、持って帰ることにした。

ニャオスケが天真爛漫で終始ニャンニャン鳴いていたのに対し、今回は、とにかく質実剛健。まったく鳴かない。たまに鳴いても「ギャン」と野太い声で吠えるだけである。猫じゃらしを見てもつまらなそうな顔で黙殺する。

プライドも高い。ニャオスケの匂いが残っているものは絶対使わない。トイレにうなっていたし、餌をずっと食べないなぁと思っていたら、餌皿が駄目で、違う皿に変えてやったら、ぱくぱく食べ出した。

でも、やっぱり甘えたである。はゆまの行くところにはずっと付いてくるし、風呂もしっかり監視されている。今日は風呂桶の縁にのぼろうとして失敗して滑り、あごを強打していた。思わず爆笑したところ、むっとした顔をし、背中を向けられた。でも、その姿勢のまま、風呂からあがるのを待っている。背中に哀愁がただよっていた。どこかハードボイルドな雰囲気の猫なのである。

とにかく私を見て、私と遊んでという性格だったニャオスケとは、ことごとく正反対で、同居させたら意外と相性がよさそうな気がする。餌やりネットワークの哨戒線にニャオスケが引っかかるのを気長に待ちつつ、この新入り猫と暮らしていこうと思う。ハードボイルドだからウラジミール・ブーチンと命名。もう、絶対に外には出さない。
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また脱走

なんてこった。
また、猫が逃げた。

月曜日に飼い始めて一週間、トイレも覚え、ようやく二人で暮らすリズムが出来てきてたのに(涙)

寄生虫やエイズ検査のために、近所の病院に連れて行こうとして、ゲージをゆるめに閉めてたのがまずかった。車におびえてしまい、パニックになって逃げちゃった。

もっと信頼関係出来てから連れて行くんだった。とりあえず、大阪市動物管理センターとかに電話したけど。果たして見つかるか……

手術済みのメスなので、そんなに遠くにはいかないはずだが。やっぱり、一度野良になった猫は、空の下の方が自由でいいのかな。

節分なのに、鬼が逃げずに、猫が逃げた。お願いだから、無事で戻ってきてくれ。

誕生日プレゼント

今日は誕生日だったが、誰からもプレゼントをもらえなかった。

そこで、ニャオスケにプレゼントを贈ることで代わりとする。

東急ハンズで買った、1万円もするキャットタワー。

かなりでかい、そして重い。腕が棒になるような思いをしながらも、喜んで遊んでくれるニャオスケの姿を思い描き、電車で帰宅。

早速、一時間かけて組み立てた。

その結果……見向きもされなかった。ティッシュをガムテープでくるんだ手製のボールの方がまだ受けがいい。なんてこった。。。くそでかいし、じゃまなだけだよ、これ……
三国志連載小説
花武担 花武担
プロフィール

黒澤はゆま

Author:黒澤はゆま
歴史小説家。はゆまは古語で「早馬」「報せ」の意味。小説のことや歴史のこと、また日々の徒然のことを、「報せ」ていこうと思います。三国志を舞台にした小説「花武担」連載中。

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